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2015-05-09
製材所に行ってきました
少し前の話になりますが、取引のある製材所に行ってきましたので、材料や木材の乾燥のことについてお話ししたいと思います。「Manuf」で使用している木材はレッドオーク材で、北米からの輸入品です。あちらの乾燥技術は高く、ほとんどが乾燥された状態で入ってきます。基本的には材木屋さんが買い付 けしたものを、必要な分だけ買うというスタイルです。当社も使用して減ってきたら補充してもらうという感じですが、大きいメーカーさんの中には乾燥機を持っていらっしゃるところがありますので、自社で乾燥するというところもあります。
今回お邪魔したところは、熊本にある製材所さんで県内でも唯一広葉樹の乾燥が出来るところです。こちらにお願いしているのは、「Manuf」の材料ではなく、地元でとれる桧材です。国内でとれる木材は針葉樹である杉や桧が多く、また家具材ではなく建築材として流通しているものがほとんどです。最近では国の政策で国産材を使おう!という流れになっていますが、家具の材料としてはまだまだほんの一部といったところです。なぜ利用が進まないのかという一番の理由がこの乾燥だと思います。家具用の材料は一般的な建築材のものよ り、もう少し乾燥させて含水率を落とさないといけません。そのノウハウを持っている製材所さんはごくわずかだと思います。また、厚みや長さなど建築材とは異なるものなので、安定した供給がなかなか見込めないのが現状です。しかし、これから国産材の割合は確実に増えていくと思います。
写真には乾燥機が写っています。今まで乾燥と何回も言ってきましたが、基本的に乾燥というと人工乾燥のことです。だいたい70度くらいになっている乾燥機の中に 3週間ほどいれるそうです。(樹種や大きさなどで違いはあります)そしてその後、しばらく養生させてから出荷されるということでした。少し中を見せてもらいましたが、「ちょっと温度が低いかなぁ」とすぐにおっしゃってました。さすがの経験!これもひとつの技術だなと思った一日でした。
2015-04-23
アクリルテープで編んでみました
前回は「いぐさ」で編んでみましたが、今回はよく見かける「アクリルテープ」で編んでみました。今まではロープ状になっているものでしか編んだことがなかったので、このように幅広のテープ状になっているものは初めてでした。単純に幅が広いから早く終わるだろうと思っていましたが、なかなかに大変でした。今までは基本的に平行に編んでいくものでしたが、テープのものだとどうしても斜めになってしまいます。なので、最初と最後のおさまりがうまくいきませんでした。(表はそうは見えませんが、裏では・・・)試行錯誤しつつ、なんとか完成させたのですが、まだまだ考えないといけないようです。
ワークショップ用に
ついでに子供用の椅子にも編んでみました。いつものペーパーコードでしたら大体4時間位かかるのですが、このテープのものだったら1時間位で出来ました。これくらいなら、イベントなどでのワークショップにぴったりだなと思いました。今回は3色しか使いませんでしたが、テープを取り寄せたところにはもっとたくさんの色があって、他の色でも試してみたくなりました。さて、次は何の素材で編んでみようかな。
2015-04-09
椅子座編み用の材料について
今回は座編み用の材料についてお話したいと思います。普段使っているものは、ペーパーコードと呼ばれているもので、読んで字のごとく紙紐です。現在使っているのは日本製の紙紐で、三本の細い紐をよって一本にしたもので耐久性も充分にあります。(二本をよっているものもある)
樹脂を含浸させた紙をよった紐は、従来の植物の茎や葉をよった縄と比べて、紐の品質が全体に渡り均一であることや、座面として十分に強度があること、さらに使用感も優れていることなどの理由で1940年代頃から椅子に用いられだしたと云われています。改めてペーパーコードの利点とは何かと言いますと、まず素材自体の重さが非常に軽いものとなっていますので軽量化が図れます。またクッション性がありますので適度に座面が体にフィットします。しかし一番の利点は編み直しが出来ることにより長く使いづつけることが出来ることだと思います。『Manuf』のコンセプトの一つである、「使い続けれるもの、受け継いでいけるものを作る」という点に関して最適の材料と云えます。
いぐさで編んでみた
先日、ひょんなところで熊本の縄屋さんと知り合う機会があり、以前から興味のあったいぐさ縄で椅子を編んでみたいということを話したところ、知り合いを当たっていただけるとの事で楽しみに返事を待っていました。蛇足になりますが、熊本県八代地方はいぐさの生産地で国産畳表の8~9割を作っているそうです。
しかしなかなかお返事がきませんでした。何故かというとその方は九州では珍しい、瓦葺の屋根をつくる職人さんで色んな場所から依頼があり、あちこちで仕事をしているとのことでした。
いぐさで編む?と疑問がわく方も多いのではと思います。わたくしもその一人ではあったのですが。ちょっと調べてみると、ラッシュ編みと云いイギリスなどで古くから行われているものでした。日本では居酒屋さんやおそば屋さんで見かける編みの椅子が、身近にあるラッシュ(いぐさ)を使ったものではないでしょうか。またいぐさに似た姿の種として、ホソイやフトイといったカヤツリグサ科の植物があります。(いぐさはイグサ科)フトイなどは『松本民芸家具』に使われています。近いところで全国で大分県の国東半島でしか栽培されていないいぐさの一種で、「しっと」とも呼ばれる七島い(しちとうい)などというものもあります。
前置きが長くなりましたが、ようやくいぐさのロープが届き、さっそく編んでみました。椅子のデザインも関係するとは思いますが、いぐさを編むことにより、どことなく民俗的な雰囲気なものに仕上がった印象です。
今回、いぐさで編んだことによりもっと色んなもので編んでみたらどうなるだろうと、一層興味がわいてきました。少し考えただけでも、麻紐や水草など。まず前提として、長いロープ状になっているものしか現在では編めないのですが。とりあえず次回はこちらはよく見かけます、アクリルテープを使って椅子を編んでみたいと思っています。その様子はまたアップいたします!
2015-03-27
そろそろ薪の出番も終わりです。
最近、薪ストーブを使われている方がけっこういらっしゃるようで、
うちの工場でも端材を薪としてお分けしています。ここ数日は、桜も
咲き始め日中はすっかり暖かくなってきましたので、そろそろ薪の出
番も終わりのようです。
家具の材料はほとんどが広葉樹です。しかも、しっかり乾燥されていま
すので、すぐに使えます。薪ストーブの薪としては、火持ちも良く暖か
いので最適です。工場では針葉樹でヒノキ材の取扱いもありますので、
付け火用にヒノキ材もあると便利かもしれません。
端材なので小さめのものがほとんどですが、扱いやすいのではないかな
と思います。次の出番は11月頃ですね。
2015-03-24
サクラの季節。
昨日、今日と広川町は晴れています。
風はまだまだ冷たいですが、陽の当たるところは暖かくて
工場の桜のつぼみも開き始めました。
桜と言えば、家具の材料にも樺桜という木材があります。
でも、桜とは言いますが、お花見で見る桜とは全く違う
カバノキという種類になります。桜の木と心材が似ている
ことから、樺桜と呼ばれています。
2015-03-20
4ヶ月の赤ちゃんでも座れます。
manufのチャイルドチェアは4ヶ月の赤ちゃんでも座れます。
肘かけが付いているので、まだひとりでお座りできない赤ちゃんでも
テーブルと合わせてお使いになれば、テーブルとチェアの隙間が狭く
なるので、ころんと落ちることも減ります。
座面は木ではなくペーパーコードなので、滑りにくくなってます。
家具の街、大川市内のカフェでのイベントに参加した時は小さなお子
様たちにたくさん座ってもらいました。赤ちゃんも機嫌よく座ってく
れてます。
2015-03-10
木材の端っこはとてもカラフルです。
こちらの工場にはテーブルやチェアの材料として、manufで使うオーク材以外にも数種類の木材を入荷します。
入荷した木材の端っこは、とてもカラフルなんです。
割れ防止という意味もあるらしいのですが、製材している会社が分かるように塗っているようです。
そんなに色んな色があるわけではありませんが、材料が入荷すると今度はどんなのが来たのか楽しみです。
このような状態が見られるのは、バンドでまとめてある入荷した時だけなんです。数日後には木取りされテーブル
やチェアになっていきます。
このような名前の入ったものもあります。こちらはフィンランドから届いたパイン材です。
2015-03-07
ペーパーコード編みその2
少し間があきましたが、その1に続いての編み作業について書きたいと思います。縦の編みが終わって横の編みに移るのですが、ここからはひたすら表を編んで裏を通すという作業の繰り返しです。最初の方は進んでいるのが分かるのですが、途中からちっとも進んでいる感じがしなくなります。それを乗り越えると後は早く感じるのですが。
横の編み作業でも大切なのは力加減を一定にすることです。縦に比べて本数が多いので、途中途中で見本と照らし合わせて確認することが大事になってきます。(後で泣くことになるので)また写真を見てもらうと分かるように、きちんとまっすぐきれいに編んでいくことも大事です。編んでいくと、どうしても縦の紐が引っ張られるのでそれも修正しながら進めます。引っ張るというと、写真のような色が付いた紐は抵抗が強いのでよく見るキナリのものより余計に時間がかかってしまいます。
編み方にも色々ありまして、L字のフックのようなものを使って、表だけ編んでいくようなやり方もあります。その方が、編むのも早く紐の量も少なくてすみます。しかし、耐久性を考えると裏を通すやり方の方が長持ちすると思います。今はいわゆる「カナコ編み」と言われる編み方のみですが、今後はYチェアのような編み方(正式名称はないようです)の商品も作っていきたいと思っています。
2015-03-02
青い屋根のmanufの工場です。
工場のある福岡の広川町は今日はとてもいいお天気でした。
工場の青い屋根も空にとけ込んでいました。
今の時期にこんなにもいいお天気だと、花粉症の私は個人的には少々鼻が
ムズムズします。いつもは気にならない工場内の木くずも少々ツラく感じて
しまったり、人によっては木の種類で、よりツラく感じる材料があるようです。
2015-02-25
ワークショップについて考えたこと
月曜からの3日間、近くの中学校の生徒さんが職場体験に来られました。椅子の座編みに挑戦してもらったのですが、いきなり1人で編めと言われても難しいだろうなと思い、2人で協力してやってもらいました。しかし最後には、1人ずつ自分の椅子を編んでもらい、なんとか3日間で完成させることが出来ました。
ワークショップについて
ふと考えたのが、3日間生徒さん達の横で通常の編み作業をしていたのですが、こういった形で編んでみたいという人に教えることが出来るのではないかという事でした。いつかワークショップをやりたいとは思っていたのですが、まだまだ複数のお客様をお迎えするという環境ではなく、外に出てやるしか方法はないかなと思っていました。しかし、今回こういった形で2人とも完成させることが出来、しかもある程度やりたい人の都合がきくというのが一番の利点ではないかと考えました。日にちが決まっていると都合が合わなかったり、またサービス業などのお仕事をされている方は土日は無理になってきます。都合のいい日、時間に来てもらい自分の、または子供の椅子を自分の手で編んでいく。なかなか楽しそうではないですか!まあ、色々と課題はありますが難しいことではないような気がします。あとはやりたい人がいればの話なのですが。