創業80年の歩み。木とともに、誰かの暮らしを支え続けるということ。

私たちの工場があるこの広川町で、創業して80年という節目を迎えました。

ふと立ち止まり、これまで歩んできた道のりを振り返ってみると、私たちが世に送り出してきたものは、時代とともに少しずつ、しかし着実に変化してきました。

始まりは、八女市内の地元の小さなお祭りで販売した「木のおもちゃ」でした。木の温もりを感じながら、子供たちの笑顔を見る。そんなささやかな喜びが、私たちのものづくりの原点です。

その後、時代は流れ、滑り台や押し車、歩行器、そしてベビーベッドなど、その時々の暮らしに必要な木製品を一つひとつ丁寧に手作りしてきました。時代によって「求められるもの」は変わりましたが、創業当時から私たちが大切にしている軸は、一度もブレていません。

それは、「木で、誰かの暮らしを支える」という仕事です。

時代とともに移り変わる「家具」の役割

木は、時とともに表情を変え、使う人の生活に馴染んでいく素材です。私たちはこれまで、暮らしの舞台となる家具を作り続けてきました。

創業当初の木のおもちゃから、子供たちが安全に過ごすためのベビー家具へ。そして現在は、無垢材の椅子やスツール、テーブルを中心に、現代のライフスタイルに寄り添う「暮らしの家具」づくりに力を入れています。

現代のライフスタイルは、かつてないほど多様化しています。仕事や趣味、リラックスする時間など、自宅での過ごし方も移り変わる中で、家具に求められるのは単なる機能性だけではなくなったように思います。そこに「心地よさ」や「愛着」があるかどうかも大事です。

私たちは、無垢材という素材が持つ自然の木目や、経年変化による風合いを活かしながら、毎日触れるたびに心が安らぐような、そんな家具づくりを心がけています。

新しい看板に込めた、80年の絆と挑戦

最近、工場の前に新しい看板を設置しました。

この看板の中央には、一脚の椅子のイラストが描かれています。この椅子には、特別な思いが込められています。実はこのモチーフは、先々代と先代の時代に実際に販売していた椅子を、三代目である現社長がリデザインしたものなのです。

古くから愛されてきたデザインのエッセンスを残しながら、座面には「ペーパーコード」を採用しました。このペーパーコードチェアは、当社にとって初めての試みでもありました。

伝統的な木工技術をベースにしながら、現代の感性や素材を取り入れる。これは、80年という歴史をただ守るだけでなく、未来に向けて進化させようとする私たちの挑戦の形です。職人が培ってきた「接合の技術」と、新素材であるペーパーコードが織りなす座り心地を、ぜひ多くの方に体感していただきたいと思っています。

初代からの技術、そして未来へ

80年という歴史は、私たちだけの力ではありません。初代から受け継いできた確かな技術、先代が情熱を注いで広げた家具づくりのネットワーク、そして、私たちのつくる家具を愛し、大切に使ってくださるお客様。

支えてくださるすべての皆さまのおかげで、私たちは今日まで、工場で木を削り、形をつくることができています。

無垢材は、メンテナンスをしながら数十年、ときには世代を超えて使い続けることができます。私たちが作る家具が、誰かの暮らしの一部となり、家族の成長を見守り、思い出とともに刻まれていく。そんな喜びこそが、私たちがつくり続ける原動力です。

「長く使う」ということは、ただ壊れないということだけではありません。使い込むほどに艶がまし、その家の色に染まっていく。そんな「家具とともに育つ暮らし」こそが、木の家具の最大の魅力なのです。

家具を「つなぐ」ということ。メンテナンス・リメイクへの挑戦

80年という月日を経て、今、私たちは新しい決意を胸に抱いています。

それは、新しい家具をお届けするだけでなく、今皆さまがお使いのテーブルのリメイクや、塗装の塗り直しといった「メンテナンス」にも一層力を入れていくということです。

愛着のある家具を、次の世代へ。修理やリメイクを通して、家具が持つ物語を絶やさずに守り続ける。これもまた、私たちの新しい「暮らしを支える」方法だと考えています。使い古されたものが、手を加えることで再び息を吹き返し、また新しい日常の一部になる。そんな循環を、この工場から広げていきたいのです。

メンテナンスやリメイクの具体的な内容については、準備が整い次第、改めて次の投稿で詳しくお伝えできればと思います。ぜひ楽しみにしていてください。

80年のその先へ。暮らしに寄り添う家具づくりを

これからの時代、人々の暮らしはどのように変わっていくのでしょうか。デジタル化が進み、便利なものが溢れる現代だからこそ、私たちは改めて「手で触れる木」の温もりや、職人が一つひとつ手仕事で向き合う家具の価値を大切にしていきたいと考えています。

木は、生きています。加工されてからも呼吸を続け、使う人の暮らしに寄り添い、共に年を重ねていきます。私たちは今後も、素材の仕入れから加工、仕上げに至るまで、木材の個性を尊重した丁寧なものづくりを続けてまいります。

私たちはこれからも、流行に左右されることのない、シンプルで質の高い家具を、この工場から丁寧につくり続けていきます。

80年という節目を迎えましたが、これは通過点に過ぎません。これからも、皆さまの暮らしに寄り添い、心地よい日常を支えるお手伝いができるよう、精進してまいります。

80年のその先も、木とともに。

私たちの家具が、あなたの暮らしに温かな彩りを添えられることを願って。

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