福岡デザインアワード2025最終審査終わりました!
「福岡デザインアワード2025」の最終審査、ノミネート50商品の展示会が行われました。
残念ながら今回は受賞には至りませんでしたが、最終審査会場では、受賞された作品をはじめ、他の素晴らしいデザインや商品とともに展示していただく機会をいただきました。
会場を訪れた方々に、私たちの作ったものを直接見て、触れていただけたこと自体が、何よりの喜びでした。
展示会場には、家具や雑貨、食品、プロダクトなど、ジャンルを超えて多くの作品が並んでいました。
どの作品にも共通して感じられたのは、「人の暮らしに寄り添いたい」という作り手の思いです。
ひとつのデザインが、日常の中に小さな幸せを生み出す――そんなものづくりの力を、改めて実感する時間となりました。
中でも印象的だったのが、大賞を受賞された作り手の方のスピーチです。
その中で「朝からおなかいっぱいご飯を食べてほしい」という一言がありました。
とてもシンプルな言葉でしたが、聞いた瞬間、食卓の光景が目に浮かびました。
その方の作品が、そんな何気ない幸せの時間を支えているのだと思うと、胸がじんわりと温かくなりました。
デザインやものづくりは、つい「見た目」や「機能性」に目がいきがちです。
けれど、本当に人の心に残るものは、その裏側にある「使う人への思い」や「日々の暮らしを大切にする気持ち」ではないかと感じました。
そのスピーチを聞いて、私自身も「自分もこの商品を使ってみたい」と心から思いました。
今回、ノミネートという形で展示の機会をいただき、たくさんの方々から感想や励ましの言葉をいただきました。
それら一つひとつが、これからの制作の糧になります。
ものづくりの現場は、地道で時間のかかる作業の積み重ねですが、誰かの生活の一部になれるかもしれないと思うと、自然と手に力が入ります。
「丁寧なものづくりを続けていくこと」――
それは、今回の福岡デザインアワードを通して、改めて自分の中で強く感じたことでした。
便利さやスピードが求められる時代だからこそ、手に取ったときに「心地よい」と感じてもらえるようなものを作りたい。
長く使い続けてもらえるように、細部まで心を込めて仕上げたい。
そんな思いをこれからも大切にしていきたいと思います。
今回のアワードに出品した作品は、使う場所や使う人の身長を選ばず、生活の中に自然に溶け込むようにデザインしたものです。
軽やかで、移動もしやすく、座ったときにどこか安心感を感じてもらえるように。
素材にはペーパーコードを使用し、手仕事のぬくもりと機能性を両立させました。
会場で作品に触れてくださった方々から「軽いのにしっかりしている」「やさしい印象でどんな空間にも合いそう」といった感想をいただけたことが、とても励みになりました。
「福岡デザインアワード」は、ただ優れたデザインを競う場ではなく、作り手同士が学び合い、刺激を受け合う場でもあると思います。
他の出展者の方々とお話しする機会もあり、それぞれの商品への想いを感じ、自分ももっと頑張ろうという気持ちが自然と湧いてきました。
デザインとは、形を整えることだけではなく、暮らしをより良くするための工夫や思いやりの積み重ねです。
その考えを胸に、これからも「生活の一部として寄り添うものづくり」を続けていきたいと思います。
最後になりましたが、今回の挑戦を応援してくださった皆さま、そして会場でお声をかけてくださった方々に、心から感謝申し上げます。
これからも、日々の暮らしの中でそっと寄り添えるような家具・道具を作り続けてまいります。



